韓国のデベロッパーである RisingWings は、世界中のゲーマーに楽しんでもらえるよう、グローバルな視点を持ってすべてのプロジェクト開発を立ち上げています。同社の 7 つのタイトルはすべてカジュアル ゲームで、カテゴリーはスポーツから戦略系まで多岐にわたっています。7 つのゲームすべてにアプリ内購入と広告が混在しており、広告は同社の総収益の 20~30% を占めています。2021 年の時点で、同社は現在のメディエーション・プラットフォームが 1 日のアクティブ ユーザーあたりの平均収益(ARPDAU)において最大限に成果を上げられているかどうか、明確には把握できていませんでした。そこで、ベンチマークを確立し、現在の収益化対象のプラットフォームが有効かどうかを確認するために、AdMob でテストを行いました。AdMob のメディエーションをテストした結果、ARPDAU に 8.7 % 増加の可能性があることに加え、広告収益化の管理に費やす時間も半減できることがわかりました。
収益化のベンチマークを理解する
社内リソースが限られているため、RisingWings ではこれまでほかのメディエーション プラットフォームを検討することができませんでした。同社はゲームの開発と調整を重視しており、広告収入については信頼できる基盤のない状態でしたが、同時に現在のプラットフォームに課題を抱えてもいました。ダッシュボードのデータでレポートされる数値と入金される数値との間に差が見られたほか、レイテンシに関する懸念も感じており、このダッシュボードを使用して広告フォーマット別に収益を評価することは困難という結論に至りました。
こうしたことから、RisingWings は AdMob でテストを実施することにしました。目標は、ARPDAU とレポートの精度を改善し、より効率的なソリューションで作業量を低減できるかどうかを確認することでした。
Firebase で A/B テストをグローバルに実施
RisingWings は 2018 年以降デマンドソースとして AdMob を利用していたため、プラットフォームには馴染みがありました。同社は、リアルタイムの入札ソリューションとして AdMob メディエーション プラットフォームを選び、既存のソリューションと比較するため、Google のサポートも利用して、Firebase Remote Config と A/B Testing 機能を使ったテストを設定しました。
テスト対象には、全世界で月間 60 万人のアクティブ ユーザーを抱える最も人気のタイトル、「ゴルフキング: ワールドツアー」を選びました。2021 年 2 月、21 日間にわたって実施したテストでは、グローバル ユーザーの半数を現在のメディエーション プラットフォームに残し、残りの半数を Firebase Remote Configuration を使って AdMob に移しました。「Firebase では、比較的簡単にこれらのテストをすぐ設定することができます」とゴルフキング担当プロジェクト マネージャー、Woo Byung Chae 氏は言います。テスト期間中、チームは広告収入とユーザー維持における変化の測定に注力するようにしました。
レポートの精度改善と収益の増加
AdMob により、RisingWings ではユーザー維持に影響を及ぼすことなく、ARPDAU で 8.7% の増加を達成できました。しかも、収益の増加はほんの始まりにすぎなかったのです。行動につながるインサイトを確認できるようになったことに加えて、レポートも安定した、予測可能で信頼できるものになり、広告フォーマット別の収益も把握できるようになりました。さらに、運用面での作業量が減少し、広告管理にかけていた時間とリソースが 50% 削減されました。
この結果を受けて、RisingWings は AdMob の広告シェアを拡大することにしました。Woo Byung 氏は次のように述べています。「もしこのテストを行っていなかったら、プラットフォームの変更で生じる影響について今でも頭を抱えていたことでしょう。既存のプラットフォームのままでは、最適化のための方法や選択肢がかなり限られていたと思います。」現在、ゴルフキングは AdMob 入札ソリューションと Firebase を iOS 版と Android 版の両方で導入しています。
新機能の導入でも改善面でも、RisingWings はその勢いを失うことはありません。Firebase Remote Configuration と A/B Testing 機能を使って、ゲーム エクスペリエンスの強化と最適なストア カスタマイズの判断に応用しているほか、Google と連携して データポータルのダッシュボードを採用し、AdMob の Audience 機能を使いユーザーをより細かくセグメント化して、さらに高度にパーソナライズされたエクスペリエンスを提供できるよう計画中です。