モバイルゲームの収益化は、アプリ内広告が最適です。ユーザーはゲームを無料で楽しむことができ、皆様は収益を得ることができます。広告による収益化が選ばれる理由や、モバイルゲームに広告を組み入れる際のベスト プラクティスについて、詳しくご確認ください。
ゲームの収益化戦略としてモバイル広告が選ばれる理由
ユーザーが期待するのは無料ゲーム
歴史を振り返ると、ゲームアプリの収益化戦略には定額購入やアプリ内購入など、さまざまなモデルが使われてきました。アプリ内購入モデルでは、ユーザーがアイテムにお金を払うとゲームのパフォーマンスを向上できます。しかし、ほとんどの場合、1 か月間にアプリ内でお金を使うモバイル ユーザーの割合はごくわずかです。そのため、多くのデベロッパーが新たな収益源としてモバイル広告を使うようになっています。
モバイルゲーム広告で Win-Win の関係を
モバイルゲームやアプリ内購入にお金を使う人は限られてしまうため、アプリの収益化戦略は広告配信が主流になっています。モバイルアプリでの広告配信は、デベロッパー、ユーザー、広告主のそれぞれにメリットがある戦略です。デベロッパーは情熱を注ぐコンテンツの継続的な制作に必要な収益を得ることができ、ユーザーはお気に入りのゲームを無料で使い続けることができるようになります。つまり、ユーザーのエンゲージメントの増加とユーザー維持率の向上につながります。そして広告主は、的を絞った関連性の高い広告を配信することで、新規ユーザーの獲得を図ることができます。
モバイルゲームでの広告配信は他の収益モデルと併用可能
アプリ内広告配信はアプリの無料利用を可能にするだけでなく、他の収益源(アプリ内購入など)とも併用できる柔軟性の高い収益モデルです。広告配信とアプリ内購入は相互に収益を食い合うことなく併用できると、より多くのデベロッパーに支持されつつあります。また、アプリ内で購入可能なアイテムをリワード広告でユーザーにアピールすると、無料利用だったユーザーがアイテム購入ユーザーに変わることもあります。実際に、「ハイブリッド型収益化」と呼ばれる収益モデルの導入率は、昨年よりも 50% 増加しています1。ゲームの収益化戦略にアプリ内広告配信を追加したデベロッパーの事例をご確認ください。
Avid.ly: アプリ内購入とモバイル広告を併用した成功事例
中国のデベロッパー Avid.ly は、ゲームの無料利用ユーザーを収益化して増収を図りたいと考えていました。50 種類以上のモバイルゲームで 1 日あたり 200 万人を超えるアクティブ ユーザーを抱えながら、アプリ内購入ユーザーがほんの一握りしかいないことから、Avid.ly では新しい収益源の候補としてアプリ内広告配信に着目しました。そこで同社は AdMob を使い始め、いくつかのアプリに静的なインタースティシャル広告とバナー広告を実装しました。アプリ内購入による収益を維持しながら、広告配信による収益も獲得する戦略に切り替えたのです。
2016 年夏、AdMob でリワード広告の提供が始まったことを受け、Avid.ly は収益化戦略を次のステップに進めるために、モバイルゲームのいくつかにリワード広告を追加しました。当初はリワード広告とアプリ内購入で収益の食い合いが起こるのではないかと危惧していましたが、実際にはその正反対で相乗効果が生まれました。その一例として Avid.ly のあるゲームでは、ユーザーあたりの平均収益 40% 増、アプリ内購入による収益 18% 増、セッションの長さ 20% 増という結果になりました。こうした成果を目の当たりにした Avid.ly では、現在、モバイルゲームのポートフォリオ全体にリワード広告を導入しています。
ご自身のゲームに適した広告フォーマットを選ぶためのベスト プラクティス
ご自身のゲームにモバイル広告を導入することをお考えの場合は、ぜひ AdMob をご利用ください。柔軟性が高く、ユーザーの邪魔にならず、高い成果を引き出す多様な広告フォーマットを備え、ゲームに配信される広告のエクスペリエンス向上に役立ちます。
バナー広告はシンプルなので、モバイル広告配信が初めての方におすすめです。インタースティシャル広告は、全画面を使ってユーザーに表示されます。リワード広告は、広告の視聴と引き換えにゲーム内特典がもらえる付加価値があるため、ユーザーにとって極めて魅力的な広告です。また、ゲーム内のコンテンツに合わせて広告のデザインをカスタマイズしたい場合には、ネイティブ広告のご利用をおすすめします。なお、ここでご紹介した広告フォーマットは、どれをご利用いただいた場合でもゲームのエクスペリエンスに影響が及びます。ぜひ AdMob がご用意しているさまざなリソースで、実際のユーザーを対象に異なる広告フォーマットをテストして、成果を分析してください。ご自身のアプリに最適な広告フォーマットについては、この記事を読み進めてご確認ください。
バナー広告を使って広告の表示回数を拡大
バナー広告とは: 長方形の広告で、画面の下部や上部の空いた場所に固定するか、タイトル画面やレベルクリア画面に埋め込んで使うことができます。バナー広告は、テキスト、画像、動画広告として表示できます。
バナー広告の用途: バナー広告は実装方法が実に簡単です。通常、バナー広告を表示する場所は容易に確保でき、単一画面のカジュアル ゲームにうまく納まります。バナー広告では、広告の露出が最大限に高まるうえ、ゲームを使うユーザーのエクスペリエンスを損なうこともありません。バナー広告のスロットは、過去のデータを基に算出された最適な頻度で自動更新されるため、ユーザーのゲーム エクスペリエンスを補完する魅力的な新しい広告を継続的に配信できます。また、AdMob の「スマートバナー」では、さまざまなデバイスに合わせてバナーのサイズが自動的に調整されます。横幅は画面いっぱいで、縦が画面の長さに比例するスマートバナーでは、お客様が手間をかけなくても、デバイスのサイズや向きに合わせて広告を簡単に配信できます。
バナー広告の実装に関する実践的な手法:
- アプリ画面の上部か下部に配置されるバナー広告は、他のゲーム コンテンツと明確に区別できる必要があります。その方法の 1 つは、インタラクティブな要素とバナー広告の間に区切りを示すことです。たとえば、バナー広告との境に枠線を付ける方法などが考えられます。
- バナーを上部か下部に固定している場合は、「スマートバナー」機能を使って、ユーザーの画面サイズ(スマートフォン、タブレットなど)と画面の向き(縦、横)に合わせてバナーのサイズが自動的に変わるようにしましょう。
- スマートバナーを使わずに、バナー広告のサイズを手動で指定される場合は、最善の成果が見込めるサイズをお選びください。ディスプレイ広告のスペースサイズが固定であれば、通常 320×50 のバナーを使うことをおすすめします。タブレットなどの大きなデバイスでは 728×90 のサイズを使ってもよいでしょう。
- タイトル画面やスプラッシュ画面に、広告配信に使える場所がある場合には、大きなバナーを配置することもご検討ください。こうした画面では 300×250 のバナーを使うと、最も高い成果が見込めます。
- また、更新頻度の最適化機能を使うと、過去の掲載結果に基づいて最適な頻度で自動的に広告が更新され、収益を最大化することができます。
インタラクティブなインタースティシャル広告をモバイルゲームのユーザーに配信
インタースティシャル広告とは: 全画面表示のオーバーレイです。AdMob では、インタラクティブ クリエイティブや動画広告など、あらゆる種類の魅力的なインタースティシャル フォーマットをご用意しています。インタースティシャル広告は、ユーザーが自分で簡単に閉じることができます。
インタースティシャル広告の用途: インタースティシャル広告は全画面表示の広告であるため、ゲーム コンテンツのレイアウトに影響せず、簡単に実装できます。ゲームループの間に自然な移行ポイントがあるゲームに最適で、ユーザーがゲームを休んでいる間に表示できます。一般的に、インタースティシャル広告はバナー広告に比べて表示回数は少なくなりますが、インプレッション単価(CPM)は大幅に高くなる傾向があり、全体的な広告収益は大きくなります。
インタースティシャル広告の実装に関するベスト プラクティス:
- ゲームの流れを考慮します。インタースティシャル広告は、ゲームのレベルやステージが切り替わる切れ目に違和感なく挿入できます。
- インタースティシャル広告はプリロードし、クリエイティブ コンテンツが事前にキャッシュされ、移行ポイントに達したユーザーにすぐに表示できるようにしてください。
- インタースティシャルを挿入するポイントでのユーザーの気持ちを考えて、広告表示が不満につながらないようにしてください。たとえば、新しいレベルに入ったばかりのユーザーなど、休憩を取るような気分でないユーザーには、インタースティシャル広告は表示しないようにします。プレイを続けようと思ったときに広告が不意に表示されると、ユーザーは不快に感じます。
- ユーザーに表示される広告の数が、多くなりすぎないようにご注意ください。AdMob のフリークエンシー キャップ機能を使うと、一定期間に 1 人のユーザーに表示するインタースティシャル広告の数を制限できます。フリークエンシー キャップに適した値を見つけるには、当初はゲームに表示する広告数を少なくし、注意深く様子を見ながら次第に数を増やし、最適な数を見つけていく方法が効果的です。この方法なら、ユーザー維持率にマイナスの影響を与えることなく、広告を導入できます。
ネイティブ広告でコンテンツに溶け込むユーザー エクスペリエンスを実現
ネイティブ広告とは: ゲームの視覚的デザイン、レイアウト、コンテンツに合わせてカスタマイズ可能な広告です。ネイティブ広告には通常、メインの画像アセットか動画アセットに加え、そのキャンペーンのストーリーに合ったテキストが表示されます。
ネイティブ広告の用途: アプリのデザインや雰囲気に合わせてカスタマイズできるネイティブ広告は、ユーザーへの違和感を減らし、長期的な価値を増進します。ネイティブ広告は、広告レイアウトのカスタマイズに一定の手順が必要となるため、そうした手間をかけられるのであれば、ほとんどのアプリに適した広告です。
ネイティブ広告の実装に関するベスト プラクティス:
- ご自身のコンテンツのスタイルに合わせてカスタマイズします。同じ画面に表示されるコンテンツの要素に合わせてネイティブ広告のデザインをカスタマイズし、色やエレベーション、シャドウなどの視覚的要素を使って、他の要素と区別します。ネイティブ広告には広告の帰属表示と AdChoices アイコンを含めることが義務付けれられています。これにより、広告以外の操作ボタンと間違えられることを防いでいます。
- 行動を促す明確なフレーズを表示して、何のための操作なのかわかりやすくします。
- ネイティブ広告のメインアセットの表示には、MediaView を使用します。これにより、動画と画像の両方のアセットを適切にレンダリングできます。
- 広告をどのように組み込むか、よくご検討ください。ネイティブ広告は、ユーザーがアプリを本格的に使っているときではなく、画面の情報を読み流しているときに表示することをおすすめします。ネイティブ広告は、メニュー画面、ゲーム開始前のスプラッシュ画面、アプリ内購入やアップグレード オプションで画面が切り替わる間などに配置する方法が一般的です。
リワード広告でゲームユーザーに特典を与えて継続利用を促進
リワード広告とは: ユーザーが広告を視聴すると、それと引き換えにアプリ内の「特典」を獲得できるフォーマットです。特典には、ゲーム利用時間の延長、パワーアップ、通常はアプリ内購入でしか利用できない機能などを設定できます。リワード広告は、インタラクティブな(プレイ可能など)動画広告として表示されます。
リワード広告のメリット: リワード広告では、広告の視聴と引き換えに価値ある特典をもらうかどうかをユーザーが自分で選択できます。ゲーム業界では、大きな収益を獲得しながらユーザー エンゲージメントも促進できる、リワード広告の人気が高まってきています。リワード広告を導入しているアプリの数は昨年 4 倍に増えました2。一般的にリワード広告では、広告へのユーザー エンゲージメントが増え、前例のないほど高い成果が得られるため、さまざまな広告フォーマットの中でも eCPM が最も高くなっています。しかし、インプレッション数はユーザーの広告視聴率に直接影響するため、リワード広告は適切なタイミングで価値ある特典をアピールした場合にのみ、優れた成果につながります。
リワード広告の実装に関するベスト プラクティス:
- ユーザーが広告の視聴と引き換えに特典を受け取りたいと思うような場所とタイミングを考えます。たとえば、ゲームで「死んでしまった」ユーザーにリワード広告を表示して、広告を視聴すれば、同じレベルをやり直さずにその場所からゲームを続行できる特典を与えます。また、プログレッシブ ゲームでユーザーが速く先に進めるように、ボーナス ポイントを用意します。
- リワード広告を使うと、アプリ内購入を補完できます。通常であればアプリ内購入で入手できるアイテムを特典としてユーザーに与えることで、成果を上げているデベロッパーもいます。アプリのプレミアム バージョンの味をしめたユーザーは、その後もアプリ内購入でアイテムを購入する可能性が高まるのです。
- 提供する特典の種類や数についてはテストを繰り返し、ご自身のゲームに最適なものを見つけてください。そうしたテストを行う際は、Firebase Remote Config などの優れた A/B テスト ソリューションをご利用ください。
- インタースティシャル広告の場合と同様に、リワード広告も事前にプリフェッチして、ユーザーが広告の視聴を選んだときにすぐに表示できるようにクリエイティブをバッファリングしておいてください。
複数の広告フォーマットを上手に活用
多くのデベロッパーは広告収益を最大化するため、ゲームに複数の広告フォーマットを導入しています。たとえば、ゲーム画面の下部にアンカーバナー広告、レベル終了直後にインタースティシャル広告を表示し、さらにリワード広告を視聴したユーザーに追加のエネルギーやボーナス ポイントを提供することもできます。Google AdMob を使えば、好きなこと(ゲーム開発)を続けながら、収益を上手に拡大できるのです。
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