Toss は韓国発のアプリです。同国内で広く利用され、2025 年 7 月時点で 1 か月のアクティブ ユーザー(MAU)2,400 万人を獲得しています。複数のサービスを 1 つのプラットフォームに統合した、いわゆる「スーパーアプリ」として知られる Toss は、個人の財務タスクを 1 か所で管理したい、若年層のモバイル ユーザーを多数引きつけています。
当初ほとんどのユーザーは、このアプリを年に数回しか利用していませんでした。そこでエンゲージメント増加を目的として、年間 40 もの新規サービスが Toss に追加されるようになりました。これには、健康状態をモニタリングする歩数計「Toss Walk」が含まれます。ユーザー エクスペリエンスを維持しながら新たな収益源を確保するため、Toss は Google と提携しました。そして技術的な安定性に優れていること、広告の質を重視していること、専任のサポートチームが用意されていることを考慮し、AdMob を選択したのです。
ブランドの信頼性を高めながらエンゲージメントを収益化
広告をテストするにあたり、Toss のチームはユーザーのエンゲージメントを高めると同時に、ブランドのポジティブなイメージを維持したいと考えていました。それには、ユーザーの関心を引きつつ邪魔にならない広告が理想です。
しかし初回では、エンゲージメントは予想よりも低い結果に終わりました。広告が表示されるとすぐに Toss アプリを閉じるユーザーがいたことは、広告に十分な価値がなかったことを示しています。つまり、ブランドのイメージに忠実で、より魅力あるエクスペリエンスを提供できる広告を使用する必要がありました。
Toss はアプリのエンゲージメントを収益化する手段として、プログラマティック広告を導入することにしました。広告エクスペリエンスを向上させてユーザーの信頼を維持しながら、安定した状態で「Toss Walk」機能を提供することが目的でした。導入の結果、没入型の広告エクスペリエンスを提供することで、あらゆるデバイスやプラットフォームでアプリユーザーのエンゲージメントを効率良く促進できるようになりました。
拡張可能な広告ソリューション
ブランド保護を最優先事項とする Toss は、広告の拡大をサポートできるパートナーを求めていました。同時に、ブランドのサービスとして、ユーザー エクスペリエンスと広告の質を優先したいという希望もありました。目標を達成するため、同社が選択したのは Google AdMob でした。選択の決め手となったのは、AdMob の高い性能と専任のサポートの存在でした。
また、AdMob が提供するリアルタイムの広告審査とブロック、実用的な分析、革新的なアプリ内広告フォーマットも、Toss チームにとって魅力的な要素でした。広告を審査したうえで掲載の続行を選択できる機能により、Toss はブランド イメージを維持しながら収益化に成功したのです。
Toss は、ブランド保護を維持するという同社の取り組みに沿った、ユーザー エクスペリエンス(UX)と広告の質に関する Google の基準についても重視しました。「Toss Walk」アプリだけで 1 日 2 億回以上の広告インプレッションを処理する必要があるため、技術的な安定性が重要でした。Toss は、Google のインフラストラクチャなら AdMob での安定した広告配信が可能であると確信しました。さらに同社のチームは、Google の迅速かつ堅実なサポートによって、技術的な質問や運用上の問題がすばやく解決されることを高く評価しています。
UX とブランドの完全性に配慮
AdMob を使用して広告を導入した Toss は、まず少人数のユーザー グループで A/B テストを実施して、徐々に範囲と規模を拡大していきました。その際、広告の効率も重視しつつ、ユーザー数とアクティビティに悪影響がないことを確認するために、トラフィックを慎重にモニタリングしました。そして、アプリの機能と UX が統合されたアプリ内広告など、さまざまな戦略とプレースメントを設計し、テストを実施しました。
たとえば体験プレイ広告では、一部のユーザーから肯定的なフィードバックが得られました。こうしたフィードバックは Toss にとって非常に有益であり、今後の取り組みに向けたアイデアを得るのに役立っています。
アクティブ ユーザー数と前年比収益がともに増加
2024 年 4 月から 2025 年 4 月にかけて、Toss の広告収入は前年比 891% 増加しました1。同様に注目すべき点は、広告の導入によってユーザー数の増加に鈍化が見られなかったことです。加えて、新しい広告枠がユーザー維持率やエンゲージメントに悪影響を及ぼすこともありませんでした。
同じ期間内に、アプリの「Toss Walk」機能では、翌日のユーザー維持率が前年比 17% 増加しました。これは、特定の歩数マイルストーンを達成するとポイントを獲得できる歩数計機能を利用して、ユーザーが連日ウォーキングに励んだことによるものです。
これらの成果を支えているのは AdMob です。Toss は AdMob を使用して 95% 超の広告掲載率を達成し、以前の Toss メディエーション プラットフォームと比較してインプレッション単価を 34% 増やすことができました。
AdMob とのパートナーシップが成功したことで、ユーザー エクスペリエンスを維持しながら価値を高める Toss の取り組みに、新たなアイデアが次々加わっています。Toss は、これまで直接販売で埋めていたプレミアム プレースメントに AdMob を導入し、今後はこのアプリを国外にも展開することを予定しています。
1実際の結果は異なる可能性があります。