Redemption Games は、多くの人に愛されるゲームを作りたいとの思いから、Michael Witz 氏と Dan Lin 氏によって 2015 年に共同で創業されました。カリフォルニアを拠点とする同社は職人気質に富み、何事にも完璧を目指すことで、大きな差が生まれると考えています。Redemption ではゲームに対する純粋な情熱が重んじられ、開発からプレイまで、ゲームのすべての側面に熱心に取り組めるチームメンバーが揃っています。
Redemption はゲーム業界への参入から 5 年目の 2019 年に、初のモバイルゲーム、Sweet Escapes をリリースしました。チームはもともと 1 つの広告ネットワーク プロバイダと提携していましたが、広告枠が十分に埋まらないことで、収益機会を逃していました。その解決策として、同社は AdMob メディエーションとスマート セグメンテーションを組み合わせて導入し、ゲームにリワード広告を取り入れました。AdMob を導入したことで、Redemption ではユーザーあたりの平均収益額(ARPU)が 43%、インプレッション単価(CPM)が 40% 成長し、アプリの総収益は倍増しました。
低い掲載率と低い収益
ゲーム業界に長く携わってきた Michael 氏は、ゲーム制作会社が抱える課題やゲームを取り巻く問題を熟知していました。彼は F2P ジャンルを手本として、「ユーザーがプレイしたくなるゲーム内容としながら、収益面でもマイナスにならない、絶秒なバランスを見つけるための革新的な方法を模索」することにしました。これは Redemption の原点となり、ゲームに新しい機能を追加する際には、このバランスの維持に気をつけるようになりました。
同社初のモバイルゲームをリリースするにあたって、収益化の仕組みが必要となりましたが、複雑な SDK の導入や、アプリ内購入(IAP)による収益が損なわれることへの危惧を抱いていました。リリースを複雑化させないために、Redemption ではまず 1 社の広告ネットワーク プロバイダのみと連携しました。「これによって広告枠が十分に埋まることはありませんでした。つまり、ユーザーは存分に広告のメリットを享受できなかったのです」(Michael 氏)1 社の広告ネットワークでは、他のメディエーション パートナーと連携した場合と比較して CPM レートも低くなり、見込める収益も減ってしまいます。
メディエーションとスマート セグメンテーションの最強の組み合わせ
拡大する広告ネットワークに対処するために、Redemption では第三者のメディエーション プラットフォームと連携することにしましたが、SDK との手間のかかる連携や、技術的な問題など、厄介な事態に多く直面したため、連携先について考え直さざるを得なくなりました。「問題は、収益の損失を防ぎながら広告を掲載するにはどうすればいいか、ということでした。その答えが、AdMob のメディエーションとスマート セグメンテーションを併せて導入することでした」(Michael 氏)スマート セグメンテーションを導入することで、購入者と推定されるユーザーと非購入者と推定されるユーザーの 2 つのグループにユーザーを分割できるようになり、すでにアプリ内購入をしているユーザーには広告なしのプレミアム版でゲームを楽しんでもらう一方で、非購入者と推定されるユーザーに対しては収益化戦略を推し進めるということが可能になりました。
最初のステップとして、Redemption ではすぐに AdMob メディエーションを導入しました。他の部門で Google サービスの利用実績があったため、試用工程は省かれました。
次に、メディエーション単独の場合と、メディエーションとスマート セグメンテーションを組み合わせた場合とで、A/B テストを実施しました。社内ツールを使用して、単独で使用されるメディエーションと、スマート セグメンテーションと組み合わせて使用されるメディエーションに、ユーザーをランダムに割り当てました。広告の配置やデザインは両者で統一させておきました。すべての Android と iOS デバイスを対象に、ユーザーベースの 80% をテストグループ、20% をコントロール グループとしてテストを実施しました。テストでは 30 日間にわたってユーザーのコンバージョン率、定着率、総収益、およびユーザーあたりの平均収益額が追跡されました。
スマート セグメンテーションを有効にすることで、非購入者と推定されるユーザーに対してのみ広告を表示するよう、広告エクスペリエンスをパーソナライズすることができました。同時に、購入者と推定されるユーザーには、広告表示によって中断されない状態でアプリを楽しんでもらうことができました。「メディエーションの導入は非常に簡単で、何の問題もありませんでした。スマート セグメンテーションにもほんの僅かな時間しかかかりませんでした。ほとんど一瞬でした」(Michael 氏)
IAP を損なわずに収益拡大
メディエーションと併せてスマート セグメンテーションを導入後、Redemption では CPM が 40%、ARPU が 43% 向上しました。ユーザーの定着率やコンバージョン率が落ちることもありませんでした。つまり、IAP による収益も損なわれませんでした。「顧客のコンバージョン率を維持しながら、収益を増やすことができたのは、スマート セグメンテーションのおかげです。IAP と広告のどちらの収益もあきらめなくて済みました」(Michael 氏)ARPU が成長し、オーディエンスも着実に拡大した結果、30 日のテスト期間で Redemption のアプリ収益は倍増しました。
Redemption は、米国以外の国からの広告収益の多さに驚いています。「CPM が高い国も多く、収益に貢献してくれています。全世界をカバーしている AdMob の威力には驚かされます」(Michael 氏)AdMob との連携に触発された Redemption では、さらなる連携を通してゲームに新たな機能を追加していく可能性を模索しています。
「Google にはデベロッパーを応援する文化があり、テクノロジー面でしっかりとタッグを組んでいきたいと考えています」(Michael 氏)今後 5 年間でチームをさらに拡大し、プロジェクト数も増やしていき、ゲーム業界における Redemption のプレゼンスを高めていく方針です。