成功事例

AdMob を利用してモバイルゲームの収益を 15% 伸ばした Four Thirty Three

AdMob を利用してモバイルゲームの収益を 15% 伸ばした Four Thirty Three

Four Thirty Three Inc. は、2009 年に韓国のソウルで設立された、グローバル モバイルゲーム パブリッシャーです。多岐にわたる人気ゲームを開発しており、最新のタイトル「Boxing Star」(プレーヤーがボクシングの上位リーグ進出とチャンピオンの座を目指す、ミディアム ハードコア ゲーム)では、250 万人を超える月間アクティブ ユーザーを 3 週間足らずで獲得しました。

当初、Four Thirty Three はアプリ内購入(IAP)のみを収益源としていましたが、2018 年、Boxing Star の無課金ユーザーに広告を表示して、IAP 収益の減少とユーザー離脱を招くことなく収益を増やす方法を探ることにしました。Google AdMob と Firebase 向け Google アナリティクスを利用して、適切な広告を適切なタイミングで Boxing Star に組み込んだところ、収益が 15% 増加しました。

ユーザー エクスペリエンスの向上に最適な広告を特定

Four Thirty Three のチームは、広告と IAP を適切なバランスで導入したいと考えていました。さらに、以前からゲームへの関心を示しているユーザーにも広告を表示して、離脱する可能性を低減したいと考えました。

Four Thirty Three のプロダクト マネージャーを務める Jinhong Moon 氏は、さまざまな広告フォーマットを検討したうえで、ゲームユーザーの利用を促しつつユーザー エクスペリエンスの拡充も図る手段として、AdMob 動画リワード広告を使用することにしました。リワード広告を使用すると、動画広告または体験プレイ広告を視聴するかアンケートに回答したユーザーに、アプリ内アイテムを報酬として提供できます。このように、リワード広告にはユーザーがオプションを選んで価値交換を行う仕組みが組み込まれているため、ゲームプレイにもプラスの効果をもたらします。

組み込みの広告

ユーザーによる広告の操作状況を分析するため、Four Thirty Three は AdMob アカウントと Firebase 向け Google アナリティクスをリンクしました。Moon 氏のチームは、ゲームのチュートリアルを完了したユーザーがアクティブ ユーザーとなっているかどうかを確認するため、そうしたユーザーのみを対象にテストを実施しました。この方法により、高い関心を寄せているユーザーからはより多くの収益を獲得し、その一方で、離脱する可能性の高いユーザーに対しては広告を配信しない状態のままにすることができました。

Four Thirty Three では、IAP による収益を損なわずに課金・無課金ユーザーの両方にアプローチする方法として、動画リワード広告を利用しました。広告を視聴したユーザーに対する報酬としては、Boxing Star の IAP ストアで通常は販売されていないアイテム(特別なゲーム用通貨など)を提供しました。

私たちが AdMob のリワード広告を選んだのは、 どの広告ネットワークよりも eCPM が高く、シームレスな統合が可能で、 ゲームを妨げることなくインプレッションを配信できるからです。

Jinhong Moon 氏, プロダクト マネージャー, Four Thirty Three

次に、その場ですぐ利用できる賞品を提供して、広告を視聴するメリットをアピールするようゲームを設計しました。それ以前は、コイン箱を開けたりゲームストアでアイテムを購入したりするには数時間待つ必要がありましたが、リワード広告を視聴した課金ユーザーが、すぐにそうしたリワードを利用できるようにしました。これは無課金ユーザーにもメリットをもたらしました。IAP のアイテムを購入しなくても、サンプルを入手できるようになったためです。また、広告全体を視聴するために必要な操作数を減らす一方、ユーザーが広告を視聴するかスキップするかをいつでも選択できるようにしました。こうして周到な広告掲載を行って、ユーザーが無料のアプリ内アイテムを利用できるようにしたところ、ゲームプレイが拡充されてユーザーの満足度も向上しました。

アナリティクスで広告のインプレッションを最適化

次に、Four Thirty Three はユーザー 1 人あたりの適切なインプレッション数を割り出して、収益の最大化を図ることにしました。Firebase 向け Google アナリティクスを統合して、オーディエンスを 2 つのセグメント(eCPM が低くインプレッション数が多い国と、eCPM が高くインプレッション数が少ない国)に分割しました。これらのセグメントを設定し、Firebase を使用して特定のチェックポイント(アプリを最初に起動するときやチュートリアルを開始するときなど)でのユーザーの離脱行動をトラッキングし、どこでユーザーが離脱しているかを確認しました。

また、オプトイン率(ユーザーがより魅力を感じたリワードの種類を把握)や eCPM のほか、ユーザー 1 人あたりの最適なインプレッション数といった主要指標も確認しました。Moon 氏のチームは、これら 2 つのセグメントで得られたデータに基づいて、最大限の広告収益が得られる表示頻度を割り出しました。

ビジネスモデルの転換

結果は驚くべきものでした。リワード広告の掲載を開始してから 1 か月足らずで、ユーザー維持率が 8% 向上したほか、セッション継続時間も 38%(平均 5 分間)伸びたのです。Boxing Star の 1 日のアクティブ ユーザーの 60% 超はリワード広告を視聴しており、そうしたユーザーから広告について前向きなフィードバックも得られました。さらには、合計収益が 15% 増加し、チームで目標としていた 5% を大きく上回りました。このように、AdMob の動画リワード広告と Firebase 向け Google アナリティクスを組み合わせることで、それぞれのユーザー セグメントに応じてカスタマイズした広告エクスペリエンスを提供することができました。

「AdMob のおかげで、ゲームでの広告掲載に対する社内での認識も、中心的なビジネスモデルも変わりました」と Moon 氏は明かしています。「この成功を基に、リワード広告をすべてのゲームに掲載し、広告収益をビジネスモデルの中心としたゲームを開発する予定です。こうしたことは、いずれも AdMob なしでは不可能でした。」

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