成功事例

JOYCITY、AdMob と入札を活用して広告収益が 200% 増加

JOYCITY、AdMob と入札を活用して広告収益が 200% 増加

1994 年に創業した JOYCITY は、韓国で最も有名なゲーム会社の 1 つです。Freestyle Street Basketball シリーズをはじめとするオンライン スポーツ ゲームの草分けでしたが、2011 にはモバイルゲーム アプリの開発に乗り出しました。それ以降は、Pirates of the Caribbean: Tides of War や Gunship Battle: Total Warfare といった人気の高い戦略型ゲームを中心にリリースしています。現在、JOYCITY が配信しているすべてのゲームアプリの 1 日のアクティブ ユーザー数(DAU)は 50 万人を超えています。

2016 年まで収益の多くをアプリ内購入(IAP)に頼っていた同社は、収益源を多様化する方法を模索していました。そこで広告を試しましたが、その時点では、広告フォーマットの成果とユーザー エクスペリエンスの品質との間の最適なバランスを見出せず、全体としては IAP が合計収益の 95% 超を占めていました。

2020 年には一部の市場で IAP による収益が減少し始めたため、JOYCITY はハイブリッド型の収益化戦略を見直すことにしました。ますます多くのデベロッパーが、戦略型ゲームでリワード広告と IAP を併用するようになっていたのです。JOYCITY が同じことを行うには、小規模なチームでも簡単に扱える方法を採用して、中核としている IAP ビジネスに支障に来さないようにする必要がありました。

そこで、導入のしやすさを念頭に、AdMob を採用して上位 2 つのタイトルに統合することにしました。2021 年に入札を取り入れると、主要市場において広告収益が 1 年で 200% 増加し、無課金ユーザーの維持率は 30% 向上しました。アプリ内広告による収益は、今や JOYCITY の収益全体の 10% を占めています。この成果を受けて、同社はアプリ内広告ビジネスの管理と、今後リリース予定のタイトルに広告と IAP を組み入れるためのプランニングを担当する、フルタイムの従業員を 2 名迎えることができました。

IAP 重視のゲームにアプリ内広告を掲載してバランスを図る

2019 年に世界的な成功を収めたものの、JOYCITY は収益を多様化して無課金ユーザーの維持率とライフタイム バリュー(LTV)を改善する方法を模索していました。アプリ内広告はその解決策になるものと楽観視していましたが、ユーザー エクスペリエンスにマイナスの影響があるかどうかについては不明でした。そこで広告フォーマットのテストを実施したところ、掲載結果でいくつかの問題が発生したため、引き続き IAP の特典と戦略を重視していくことにしました。

新たな収益源を創出

2020 年になると、一部の市場で最も人気の高いタイトルのうち 2 つで IAP による収益が減り始めました。そうした市場では、多くのゲーム内アイテムの価格がユーザーの支払い可能な金額を上回っていると JOYCITY は考えました。そこでマーケティング チーム責任者の Sujin Kim 氏は、アプリ内広告を再度試すべく準備を進めました。ゲームで適切な広告フォーマットとプレースメントを使用すれば、新たな収益源が生まれ、IAP による収益やゲームのエクスペリエンスを損なうことなく無課金ユーザーを保持できることを Kim 氏は確信していました。

さまざまなプラットフォームについて調査した後、JOYCITY は Google AdMob を利用することにしました。AdMob は統合しやすさが際立っていたことに加え、ユーザー インターフェースを直感的に使用できたからです。同社はリワード広告入札のほか広告インスペクタなどの機能を使用して、開発チームのサポートを受けなくても第三者ネットワークでの広告配信の状況をリアルタイムでテストできるようにしたいと考えていました。

「AdMob を選ぶにあたって考慮した最大のポイントは、導入のしやすさでした」と広告収益化担当マネージャーを務める Junki Min 氏は述べています。「収益の大半を IAP で獲得しているため、最小限のリソースで設定できるアプリ内広告ソリューションを必要としていて、AdMob はまさに最適なソリューションだとわかりました。」

AdMob を選ぶにあたって考慮した最大のポイントは、導入のしやすさでした。 AdMob はまさに最適なソリューションでした

Junki Min 氏, 広告収益化担当マネージャー, JOYCITY

入札でアプリ内広告の収益を倍増してユーザー維持率を改善

2020 年に AdMob とハイブリッド型の広告戦略を導入すると、広告収益が収益全体に占める割合は 5% から 10% へと増加し、新たな収益源となりました。2021 年に入札を採用すると、アプリ内広告の収益は 2 倍に増えました。

「まったく新しい収益が、アプリ内購入による収益に上乗せされた形です」と Junki Min 氏は言います。

リワード広告は、有料ユーザーと無課金ユーザーの両方で高い成果が得られるフォーマットであることがわかりました。JOYCITY によると、リワード広告を視聴したユーザーの 1 日目、7 日目、30 日目の維持率は、視聴しなかったユーザーの 2 倍にのぼりました。リワード広告を視聴した有料ユーザーは、維持率が最も高く、30 日目には最大 53% 上昇しました。無課金ユーザーでも、30 日目の維持率は 12% 上昇しました。

JOYCITY では、特にゲームの新規ユーザーのライフタイム バリューにアプリ内広告がプラスの影響をもたらしていることがわかりました。このグループでは、14 日目までのライフタイム バリューの 20% を広告で獲得していました。アプリ内広告による収益が得られなければ、14 日目までのユーザーのライフタイム バリューの 20%~40% は失われることが、分析データで明らかになりました。

また、広告とユーザー エンゲージメントの間には、強い相関関係も認められました。リワード広告を視聴した平均的な新規ユーザーは、広告を視聴しなかった新規ユーザーよりも、ゲームの最初のレベルを 3 日早く完了していました。

JOYCITY にとって、アプリ内広告とアプリ内購入のハイブリッド型戦略はビジネスモデルに欠かせない要素となっています。2020 年まで、アプリ内広告の業務は 1 人のパートタイムのスタッフが担当していましたが、現在は 2 人のフルタイム従業員がこの業務を担っているほか、アプリ内購入ビジネス専任のスタッフを擁するまでに拡大しています。

「アプリ内広告は新しい収益源として役立っています」と Sujin Kim 氏。ゲームのユーザー維持率を改善する方法は見つにくいものですが、リワード広告はまさにその方法として最適です。」